インテリアショップ「Studio FILT.」が伊賀町に移転オープン!暮らしを豊かにする“本当に良い家具”とは?

オシャレな家具を取り扱うインテリアショップは数あれど、その中でもひと際異彩を放つお店が岡崎にあることをご存知でしょうか?

独自の嗅覚でセレクトされた“本当に良い家具”がズラリと並ぶ「Studio FILT.」。

この度、お店の場所を岡崎市六供町から伊賀町に移し、さらに幅広い展示が可能になったショールームで、厳選された家具を個性溢れるスタイルで紹介されています。

暮らすための“道具”である家具。

しかしこちらのお店で取り扱っている家具には、職人の手仕事による細やかな意匠が施されていたり、自然素材特有の温かみがあるなど、“ただの道具”にとどまらない、“暮らしを豊かにするための価値”が感じられます。

今回は、そんな“良い家具”を追求することに情熱を注ぐ、「Studio FILT.」代表の反端さんにお話を伺いました。

家具に興味を持つようになったきっかけ

店内には北欧の名作家具から、厳選された日本製の家具、作家さんが作った器やフラワーベースなど、多数の商品が並びます。

代表の反端さんは、元々インテリア業界で働かれていたのかと思いきや、意外な答えが返ってきました。

反端さん:「新卒で旅行会社に入社しました。当時は法人営業をしており、プランを作って添乗員としてお客様を連れていく…といったお仕事をしていました。ただ当時から野望として、自分でもいつか何かをやりたいという気持ちはありました。そんな時、旅行で感動して疲れて宿に泊まった際、その空間が良かったら最高だなと考えるようになり、独立して何かやるとなった時、最初は宿をやりたかったんです。

宿をやるのであれば、良い空間ってなんだろう?と考え、インテリアについて調べるようになりました。調べれば調べるほど家具って奥が深いなと思い、気付けばインテリアコーディネーターの資格を取得していました。その後はハウスメーカーのコーディネーターや家具屋での勤務を経て、2016年に独立して「Studio FILT.」を始めました。」

「Studio FILT.」代表 反端祐樹さん

コンセプトは「温度・意匠・調和」

反端さん:「独立して個人でお店をやるとなった時に、何でもやれる大きなお店は目指せない。また、職人でもないので、自分で家具も作れない。ただ自分のセンスは信じていたので、自分が本当に良いと思う家具を選んで取り扱うようになりました。

お店のコンセプトは、「温度・意匠・調和」。「温度」とは、手仕事で作られたものや、天然の木や土を使ったり、生地も天然の繊維を使ったりと、温かみを感じるもの。「意匠」はデザイン。見た目の美しさはもちろんですが、例えば椅子であれば、座り心地の良さなども考えられた上でのデザインを大切にしています。「調和」は、空間に家具をしつらえ生活を整えること。コーディネートを含めて調和させることが、FILT.の役割だと思っています。」

お店に並んだ家具を見ていると、手仕事で作られたものは、機械では再現できない細かい意匠が施されていたり、自然素材に触れた時の肌触りの良さを感じたりと、まさに「温度・意匠・調和」のコンセプトを実感することができました。

反端さん:「<FILT.>という店名は「LIFE STYLE」という綴りの中から4文字を選んで決めました。“暮らしの家具”の中から、自分のフィルターを通して厳選したものだけを取り扱う、といった意味が込められています。以前勤めていた家具屋でも北欧家具などを取り扱っていましたが、その中でも“本当に良いものとは何か”を考え、自分が良いと思えるものだけを選ぶようにしています。」

目指しているもの/理想のお店像

これまでも店内で、気鋭の個人作家さんのポップアップショップを開催したり、Kvadrat/Raf Simonsの生地を纏った、FILT.限定の「HIROSHIMA アームチェア」の販売を行うなど、常に何か面白いことを仕掛けている「Studio FILT.」。

ただのインテリアショップに留まらないFILT.が、今後目指している理想のお店像を伺いました。

反端さん:「理想のお店というのは、正直まだまだこれからです。今取り扱っている家具は、「温度・意匠・調和」のコンセプトに則って、本当に良いと思えるものを集めています。海外の名作家具だけでなく、マルニ木工や飛騨産業などの日本の家具メーカーの商品もセレクトしていますし、全国の個人の家具職人さんの家具も紹介していきたいと思っています。

個人の作家さんが作られた商品は、高度な技術と制作に手間暇もかかっているので、正直値が張るものも多いです。ただし本当に価値があると思ったものは、積極的におすすめして紹介していきたいですし、価格訴求して販売したりもしません。価値を感じてもらったお客様に喜んでいただき、作家さんや職人さんにも還元して次の制作に繋げてもらえるような、三方よしとなることを目指しています。

オシャレな店内の中でもひと際目を引く「Artemide」の照明

今後は現在の規模は保ちつつ、精度を上げていきたいです。先日イタリアの名門照明メーカー「Artemide」のショールームにて展示会を行ったのですが、そこでインテリア業界のトップに立つスタイリストや、憧れのショップのバイヤーさんからFILT.の展示を絶賛いただきました。世界の良い家具を見てきている方達に褒めていただけたことが本当に嬉しかったですし、今後の自信にも繋がりました。」

家具の販売からインテリアスタイリングまで

「Studio FILT.」では、家具の販売だけでなく、インテリアに関わる幅広いサービスを行っています。

反端さん:「FILT.では、家具の販売はもちろん、オーダー家具の制作やインテリアコーディネート、インテリアスタイリング、さらには店舗デザインやリノベーションまで、多くの業務を行っています。前述した「Artemide」での展示会や、作家さんとコラボレーションしたポップアップイベントの企画なども行いますし、ただ商品を売るだけのインテリアショップではなく、多様な視点からインテリアと関わりたいと思っています。現在は古民家をリノベするプロジェクトにも関わっていたりもしています。

石が浮いている珍しい洗面(洗面加工:INASE

FILT.の強みとして、オリジナル家具やオーダー家具の制作も行っています。素晴らしい腕をお持ちの家具職人と長年タッグを組ませていただき、「温度・意匠・調和」を感じられる、シンプルで使いやすい家具をお造りしています。FILT.で取り扱っている椅子と調和させることを目指して作ったオリジナルのラウンドテーブルは、今ではFILT.のベストセラー。大変人気で、これまで多くの人に気に入っていただき、ご購入いただいています。

FILT.オリジナルのラウンドテーブル

特にこだわったのは、テーブルの脚が下に向かって徐々に細くなっていくシルエット。椅子を並べた時に美しく見えるように制作したのですが、最近ある人に「アルネ・ヤコブセン(北欧を代表するデンマークの建築家・デザイナー)が、全く同じことを意識してデザインしている」ということを教えていただき、驚きました。一見シンプルに見えるかもしれませんが、無駄を削ぎ落したものほど作るのが難しい。職人が手仕事で細部まで丁寧に加工するからこそ、この仕上がりが出せるんです。ここまでシンプルで綺麗なものは、これからも作れないと思います。」

家具を提案する際に大切にしていること

お客様に家具を提案する際、どのようなことを心がけているのでしょうか。

反端さん:「取り扱っている家具は、どれも本当に良いと思えるものを選んでいますが、こちらの思想を押し付けるのは違うと思っています。もちろん選ばせていただく家具に自信はありますが、それは暮らしにとって大切なことではありません。まずは実際に座っていただいて、座り心地を確かめていただきます。お客様のライフスタイルを伺ったり、どのようなお部屋で使われるのかを聞いた上で、その人に合うものを提案させていただいています。もちろん押し付けはしませんし、分からないことなどはアドバイスさせていただきます。椅子に座って姿勢を作ることは暮らしを作ることであり、豊かな暮らしを作るのが家具のデザインだと思っています。」

新店舗のショールームのこだわり

2016年の「Studio FILT.」開業時は、連尺通にある一隆堂ビルの3階と4階にショールームを構え、その後2020年春に六供町の路面店へ移転。そして今回2024年4月、伊賀町の2階建ての建物に移転オープンとなりました。

反端さん:「今回移転した新店舗は、もともとはお店兼住居として使われていた建物でした。以前の六供町の店舗が手狭になり、新たな店舗を探していた時に出会ったのがこの場所。以前よりも広々とした空間が気に入っており、特に2階には和室もあるので、空間を調和させることを目指したインテリアコーディネートをご覧いただけます。」

お店の外からも目を引く、まさにお店の看板であるネオンサイン。こちらはなんと、人気イラストレーターである長場雄さんに作ってもらったオリジナル作品とのこと。一体どういう経緯で作っていただいたのでしょうか。

反端さん:「まだFILT.を創業して間もない5~6年前、長場雄さんの東京の事務所に直接伺って制作依頼をさせていただきました。個人的に憧れの人でもありましたし、お店の顔になるものなので、自分が本当に好きな方に依頼したいという想いがありました。当時から人気のイラストレーターさんだったので、引き受けていただけて嬉しかったです。FILT.をイメージした北欧の椅子に座っているイラストをオリジナルで作っていただき、素晴らしい仕上がりとなりました。一生大切にしていきたいと思います。

FILT.はインテリアショップですが、専門分野だけを好きでいても、良いものは提供できないと思います。私の場合、ファッションやアート、美術館、建築、旅行など、好きなものがたくさんあるのですが、様々なカルチャーから受けた影響が、お店にも反映されているのではないかと思います。」

“本当に良い家具”をお探しの方へ

元々地元は名古屋だという反端さん。岡崎にお店を構えた理由を聞くと

反端さん:「正直都心からは離れているので、市外の人はアクセスしづらいかもしれません。それでもわざわざ足を運ぶ価値があるものを提供している自信はあるので、本当に良い家具を探すことにこだわっている方に是非来てもらいたいです。」

2016年に独立し、今年で8年目を迎えた「Studio FILT.」。

まだまだ挑戦を続ける姿には、こちらまで刺激をもらいます。

正直量販店とは違い、どれも気軽に購入できるような金額の商品ではありませんが、生活を豊かにしてくれる一生モノの家具をお探しの方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

文・写真/小野

━━━━━━━━━━━━━━━
Studio FILT.
公式Instagram
シロモノ FILT.(オンラインストア)
🎉移転オープン日/2024年4月23日
🏠住所/愛知県岡崎市伊賀町西郷中76-1 
⏰営業時間/12:00-18:00
📅定休日/水曜定休+α
📞電話番号/080-9053-4145
🅿️駐車場/あり(3台)
━━━━━━━━━━━━━━━

関連記事

TOP