康生通南にある「珈琲館」と書かれた看板のかかっているレトロな建物。
以前から気になっていたものの、もう何年も前に閉業したようで、
中を覗くことはできませんでした。
しかし、2023年11月12日に開催された
「あいちのたてもの博覧会」というイベントにて、
1日限定で公開されるという情報をキャッチし、
「これは行くしかない!」と、迷うことなく行ってきました!
こちらの建物、なんと岡崎市で空襲の被害を免れた
数少ない和風建築である築約90年の「杉浦邸」として知られ、
喫茶店の「珈琲館」は1972年に増築されました。
まずは本館の杉浦邸へ入室。
半地下になっている玄関が、
当時のお洒落な建築様式だったようです。
玄関から入室してすぐにあるのは暖炉のある洋室。
テレビやピアノも当時のものが残っており、
来客時の応接間としても使われていたのかな?
と想像が膨らみます。
当時の名鉄東岡崎駅の時刻表も貼ってありました。
なんとまさかの手書き!?(笑)
建物内部の経年劣化は感じるものの、
築約90年も経つ建物が、空襲の被害も逃れ、
このような形で現存しているのは奇跡のようにも思えました。
個人的に一番の見どころは和室から眺めるお庭!
和室から眺めると額縁で切り取られたように見え、
植物が映える美しいお庭は、ずっと見ていられるくらい素敵でした。
まさにリアル「サツキとメイの家」のような昭和レトロな建物で、
探検気分で散策させていただきました。
ただし台所など一部の部屋は、劣化によるものか、
天井が抜け落ち崩れている場所もありました。
さすがにここまで壊れてしまっていると修復は難しそうですね。。
当時住んでいた方の面影が残る各居室、
細部にまで意匠が施されたデザイン、急過ぎる階段など・・・
今では見られない昭和初期の建築に興奮が止まりませんでした!
続いて増築された「珈琲館」へ。
外観から素敵です!
店内に入ると、当時の流行を感じさせる造りで、
照明やカウンターなど、
今見るとレトロモダンな雰囲気がたまりません。
当時のメニューも残っていました。
営業中に伺ってみたかった…!
この日は珈琲館に残された昭和時代の激レアな品々が販売される
蚤の市も開催されていました。
まるで昭和にタイムスリップしたかのような
不思議な体験となりました。
今回の建物公開にあたり、
清掃段階からご尽力された建築家の小林洸至さんのInstagramで、
より詳細な写真なども見れますので、
気になる方はそちらも是非チェックしてみてください!
当日は小林さん本人による解説と、
小林さんが制作された分かりやすい資料を見ながら
回らせていただきました。
実は今回ご紹介した杉浦邸ですが、
岡崎市出身の俳優・杉浦直樹さんのご実家だそうで、
直樹さんのお兄さんが珈琲館のマスターだったそうです。
現在杉浦邸・珈琲館共に見学はできませんが、
今後また公開される機会があるかもしれませんので、
その際は是非足を運んでみてください!
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珈琲館杉浦邸
🏠住所/愛知県岡崎市康生通南1丁目13
(現在は見学できません。)
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